身体に感じる不調の中でも、とりわけ多くの人が悩みに感じているのが肩こりです。
一時的な症状で治まることもあれば、慢性的な不快感が続くことで多大なストレスを受けている人も少なくないはずです。
そもそもなぜ痛みが生じてしまうのか、その原因はいくつか考えられます。
はじめに挙げられるのが筋肉の緊張です。
もともと首や肩周辺の筋肉というのは、重たい頭や腕を支えており常に負荷が掛かっています。
そこへさらに負担が生じることで疲労物質が蓄積し、筋肉が凝り固まります。
加えて血液の循環も悪くなることで痛みが抜けにくくなり、慢性的な症状として痛みが出やすくなっている場合があるのです。
特に、デスクワークで長時間パソコンを使用している人や、猫背で姿勢が悪い人などは注意が必要です。
無意識に肩への負担が増大してしまい、肩だけでなく首や頭痛などの症状も発生させます。
意識的にストレッチを行なったり、正しい姿勢を取れるよう環境を整えたりといった対処が大切です。
スマホの使い過ぎも原因のひとつです。
頭を下に向けた姿勢が長時間続きがちですが、すると筋肉の緊張や血行不良を招き、首から肩にかけて痛みが出やすくなることがあります。
多くのスマホユーザーに関連する問題で、症状がひどくなるとストレートネックという状態も招きかねません。
頸椎のカーブが崩れた状態ですが、肩こりの原因になるのはもちろんのこと、頭痛や手足のしびれなどを引き起こすリスクもあります。
こうしたトラブルを回避するには、意識的にスマホを使う時間を減らしたり、姿勢に注意をしたりといった心掛けが欠かせません。
過度のストレスを抱えている人も肩こりが発生しやすいです。
慢性的にストレスに晒されていると、自律神経である交感神経が活発になります。
交感神経は血管を収縮させる働きがありますので血行不良が起こりやすくなり、結果的に肩の不快症状も引き起こされてしまうのです。
血行不良はさまざまな症状の原因になってしまうことから、ストレス過多を自覚する人は十分に注意をしなければいけません。
心身をリラックスさせるには副交感神経を優位にさせることが大切です。
運動や趣味を楽しんだり、環境を変えたりしながらメンタルのバランスを整えるようにしましょう。
これらの原因によって発生する肩こりは、多くの現代人に共通する問題です。
基本的には筋肉の疲労蓄積や血行不良などが痛みを発生させる要因で、放っておくと症状がひどくなることもあります。
しかし、適切に対処を講じていくことで緩和されることもありますので、普段からしっかりとメンテナンスを行ない、痛みの出づらい状態へと導くのが肝要です。
しかし、肩の不快症状が発生するのは、日常生活での問題だけが理由ではありません。
時には病気によって痛みが出ている場合もありますので注意が必要です。
要注意な病気のひとつに、例えば頸椎椎間板ヘルニアが挙げられます。
椎間板によって神経が圧迫されることで首から肩にかけて痛みやしびれが発生することがあり、ただの肩こりと勘違いをされることもある症状です。
しかし重症化をする恐れもある病気であるため、違和感を放置せず速やかに医療機関を受診することも必要でしょう。
高血圧症も危険性のある要注意症状です。
文字通り血圧が高すぎる状態で、自覚症状がない場合も多いです。
高血圧は血液や栄養の流れを悪くすることでさまざまな症状を引き起こし、肩こりもその内のひとつです。
しかしそうした症状だけに留まらず、高血圧が続くことで動脈硬化が進み、心筋梗塞や脳卒中などのリスクも高める恐れもあります。
肩の痛みは高血圧症をはじめとした病気のサインである場合もあることから、これもまた、ただの痛みと軽視しないよう気を付けなければいけません。